金富電鉄篇

まずはこちら

<実在土地で架空鉄道をつくる難しさ。>
 自分は興味と知識が限られるので、なるべく現実の土地では架空鉄道をやりたくない。今後も、基本的には架空の土地でやるつもりだ。

 しかし、今回は違った。韓国の新トングリを架空鉄道の主役にしたかった。そして、それがソウル近辺にしか走っていないとなると、どうしてもソウル近郊に限られてしまう。
 全く架空の車両なら、ソウル近郊にこだわる必要もなく、「韓国のどこか」で良かったのだが。

 ここから実在土地、それも地理情報の少ない外国の土地で線路を引く羽目になった。

 そこで次は路線図をみて、空いてる場所を探すことにした。
 手元の「韓国の鉄道(JTBキャンブックス)」をみると、京仁線と京義線の間が空白になっている事に気付いた。
 そこで、京仁線と京義線の間を想定し、市街地のある京仁線富平(プピョン)駅と、京義線大谷(テゴク)駅を結ぶ線を決め、社名を大富電鉄(テプ チョンチョル)とした(語呂も気に入った)。
 
 そこで今度は市街地があるか否かGoogleMapで調べてみると…。残念な事が判明した。一つは大谷周辺は緑豊かでこれといった市街地がないこと、もう一つはより根本的で漢江(ハンガン)の川幅があまりに広く、ローカル私鉄には似つかわしいという事だ。
 が、市街地のある富平側で漢江を渡らずに済む場所に金浦(キムポ)市があった。人口も、Wikipediaでみると25万人と申し分ない。これ幸いと富平と金浦を結ぶ路線が確定した(鉄道があればより早期に人口が増えるだろう)。
 ちなみに、「金富」電鉄にちなむ記念切符は思い付きだが、上手い具合に縁起の良い名前になったものだ。


 余談ながら、地元の公立図書館で韓国向けの地図帳を探してみると91年の古い版があったのみで、あまり役には立たなかった。
 だがこれを見るとソウル近郊の集落が分かるので、近年開業の相次ぐ地下鉄や軽電鉄の路線と照らし合わせるてみると、なかなかおもしろい。当然、軽便時代の水仁線も描かれている。
 ソウルや釜山その他の都市圏の地図から、架空の路線を考えてみるのもおもしろいだろう。もっとも、主要な都市は既にKORAILで繋がっているが……。

 外国の土地に架空鉄道をこさえる場合、高校地図帳くらいでは役に立たない。
 GoogleMapとWikipediaは、「外国人」が地域レベルの地理を知る上で、良いツールだ。GoogleMapは市街地と河川と地形をみるのに具合が良い。
 日本国内なら県レベルならだいたい地理が想像できるが、外国だとそうはいかない。そういうとき、GoogleMapは良きヒントになる。国内の詳しくない土地でも役に立つだろう。



<シチュエーションから車両ができる>
 金富電鉄で何がやりたかったか。
 それは【4両編成の新トングリが私鉄に乗り入れる】というシチュエーションである。

 きっかけは、新トングリがカッコイイと思い初めてしまった事だ。
 さらに、KTXの高速新線(京釜高速線)に乗り入れるた光明シャトルの4両編成の、こじんまりした編成にも惹かれた。
 そこから突然閃いたのが、【4両編成の新トングリが私鉄に乗り入れる】というシチュエーションだ。

 ここから、(半島フリークでもないのに)私の韓国架鉄が始まった。
 地理的な決定は、上記の通り。私にとり一番大事なのは車両のイメージだ。

 最初にKORAILカラーの4両編成のトングリは確定。次に、私鉄の側の車両を考えた。
 韓国の近年の猛烈な高層住宅や鉄道への設備投資から、【鄙びた私鉄に新トングリ】というイメージが全く浮かばなかった。そこで、新トングリをベースにロテム風のイメージで、かつ2連×2編成の想定から貫通形で、1000形を案出した。

 【4両編成の新トングリが私鉄に乗り入れる】というコンセプトからして、歴代の車両を決める必然性はなかった。が、せっかくの韓国架鉄。有名な金剛山電鉄のイメージをダブらせて、開業時の車両1形を決めた。

 開業時の車両を決めても、代々の車両を決める必要性はない。しかし、設定(というか1形や1000形を描き散らしたノート)をみていて、開業当初の車両と新トングリ系の現代の間、つまり昭和中期以降にミッシングリンクが存在する事に気付いた。
 換言すれば、昭和中期に新車を入れれば、開業当初から現代まで、何とか歴史が繋がる事に気付いた。加えて、電鉄沿線の目玉になる金浦国際空港の開港が1971年と知ったので、【昭和40年代風の新車】を決める事にした。
 正直、昭和40年代の近郊電車にはあまり惹かれないが、空港乗り入れの近郊形として京成というモデルがあり、スタイリングは韓国鉄道博物館に保存されている9601形を参考とした。

 最初は【4両編成の新トングリが私鉄に乗り入れる】というだけだったのが、芋づる式に開業から現代までの歴代車両が定まった。
 シチュエーションが車両を決め、車両の存在が別の車両を着想させる。斯くして"シチュエーション"が車両史を作り出したのであった。
 時代背景や前後の時代の車両から車両を決めるので、必然的に"歴史の流れ"ができる。シチュエーションから車両を作る、一つの利点だろう。




  • 最終更新:2013-06-11 06:25:08

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