金富電鉄(韓国)

金富電鉄(キムプ チョンチョル)は、ソウル近郊、富平(プピョン)と金浦(キムポ)を結ぶ私鉄である。

<接続路線>
富平(プピョン):KORAIL(韓国鉄道公社)京仁線、仁川地下鉄1号線
富平区庁(プピョングチョン):ソウル特別市都市鉄道公社号7号線
桂陽(ケヤン):KORAIL空港鉄道A'REX
金浦空港(キンポゴンハン):KORAIL空港鉄道A'REX、ソウル特別市都市鉄道公社号5号線、ソウル市メトロ9号線

<運行系統>
 金富電鉄の列車は、基本的にKORAIL京仁線と直通する。ソウル~金富と仁川~金浦空港、仁川~金浦の三つの系統からなる。
 金富電鉄は直流1500V、KORAILは交流25000V(60Hz)のため、交直流車が使われる。


<現役車両>
KORAIL5000系(左)と、金富1000形(右)。
 ソウル~金浦の系統は、このKORAIL5000系と、後述の金富電鉄2000形が使用される。ともに4両編成である。

1000形。
 仁川~金浦空港、仁川~金浦の直通列車には、この1000形が使用される。
 KORAIL5000系と共通の設計で、2両編成の交直流車である。ラッシュ時には2連×2の4両編成で運転される。

KORAILに乗り入れる金富2000形(手前)。奥はKORAIL1000系中期抵抗車。
 2000形は、KORAIL5000系と同一の設計である。KORAILとの乗り入れ運賃相殺のため、金富電鉄が1編成だけ所有している。

2000形と1形。
 2000形正面にはハングルで金富電鉄と書かれている。
 開業時からの1形は保線用の機関車代用だが、事実上の動態保存である。塗装は戦後のもの。
 朝鮮戦争後、溶接により復旧したため部分的にリベットがないのが特徴である。


<過去の車両>
朝鮮戦争前の1形。
 1932年の開業当初の車両。金剛山電鉄と共通性のあるスタイリングである。
 朝鮮戦争で全車被災したが、戦後大半が復旧された。先述の通り、損壊した部分を溶接で復旧工事をしたため、部分的にリベットが残る。

500形。
 1960年代になると1形も老朽化が進んできた。1971年の金浦国際空港(現:金浦空港)開港を期に新製導入されたのが、500形と600形である。
 500形は電鉄線内完結の直流専用、600形はKORAILに乗り入れるための交直流型である。仁川~金浦(国際)空港の直通運転はこの時に開始された。


<沿革>
 1932年に開業。工事に当たっては金剛山電鉄(1931年開業)の協力を得た。
 社名は「金富電気鉄道」だが、読み方は「きんぶ」であった。戦前期には、社名の縁起の良さから記念切符も発売されたという。
(なお、金剛山電鉄は1942年に電力政策により京城電気に併合されたが、金富電鉄は電力業を行っていなかったため戦時中も独立を保った。)

 終戦直後、一時的に国有化されたが、程なくして韓国資本により金富電鉄(キムプ チョンチョル)として再スタートした。
 それから間もなく朝鮮戦争が勃発。国連軍が上陸した仁川からソウルの途上にある沿線は激戦地となり、電鉄は壊滅的なダメージを被った。
 しかし戦後、関係者の尽力により奇跡的ともいえる復興を果たした。

 しばらくは変化に乏しかったが、1960年代後半以降「漢江の奇跡」と呼ばれる経済成長を遂げ、さらに1971年の金浦国際空港の開港が転機となった。
 これを期に新車投入など改良が進められた。また、この時から仁川~金浦国際空港の乗り入れ運転が開始された。

 その後はしばらく平穏であったが、2007年になり、懸案だったソウル乗り入れについてKORAILとの合意が成立。KORAIL5000系と、運賃相殺のための金富電鉄2000形により、ソウル~金浦の直通運転が開始された。
 また、交直流の1000形が新製され、500形と600形の置き換えを進めている。これにより、仁川~金浦空港用列車を置き換え、電鉄線内完結の列車を仁川~金浦直通列車に切り替えて、現在に至る。

付記1:金浦空港の国際便について
 2001年の仁川国際空港開港に際し、金浦空港の国際線は全て仁川国際空港へ移転した。
 しかし2007年以降、金浦空港と海外との定期チャーター便が拡大してきている。

付記2:KORAIL空港鉄道について
 空港鉄道A'REX(エイレックス)は、2007年に金浦空港~仁川空港間を暫定開業。金富電鉄とは、桂陽(ケヤン)と金浦空港で接続した。
 2009年にソウルメトロ9号線が開業、同年KORAILにより空港鉄道が買収される。2010年、金浦空港~ソウルが開通した。


【了】



  • 最終更新:2013-06-11 04:20:00

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